ペット・ロス◎悲しみのステップ、ペットの死に遭遇した時の心境とは?
【否定】ペットが突然死したとき、またはもう病気が治らないと宣告受けたとき、真っ先に私たちが発する言葉は、多くの場合『うそ!!』『まさか!!』です。うそだ、そんなはずはない。何かの間違いだ。もしかしたら夢かもしれない。この獣医師が言ううことが間違っているかもしれない。ほかの獣医師に見てもらえれば・・・。そんな否定の言葉が次から次えと浮かんでくるはずです。これは、私たちが大きな精神的ショックから、逃げようとするために起こる自己防衛反応です。この【否定】のステップから脱出するには時間が必要です。といってもほとんどの場合、何週間も何カ月もかかるわけではありません。早ければ何時間、何日の単位です。直視せざるをえない現実が続くと、ショックから逃げ切れないことを悟って、次のステップにいく場合が多いと思います。ですから、この【否定】のステップにいる当事者を見かけた周囲方は、無理やりすぐに事実を認めさそうとするのではなく、少し時間を与えてあげて下さい。自分で現実が続くことに納得できるまで、静かに見守ってあげるのがよいと思います。死に対する否定ではなく、診断に対する否定の場合は、事態をより早く理解あるいは納得するために、セカンドオピニオンを他の獣医師に求める方がよいこともあります。しかし、否定を続けてセカンドどころか3つも4つもと、あちこちの病院を転々とするのは、どれだけ繰り返しても解決につながりません。引用/鷲巣月美編『ペットその時あなたは』三省堂新版86~87ページ